私流の般若心経
般若心経について、大切なお経だと思い改めて自分に落としたくてまとめました
なぜ改めたかと言うと
①般若心経の「空」は、宇宙そのもの、宇宙の仕組みを表していると思ったからです
ブッダは悟られ、人間界の考え方ではなく宇宙の在り方を説かれたと思います
②般若心経はすでに数多くの書物等で解説されてますが、どうも私には飛躍したというか
複雑に思えてしまった。
私たちがこれまで当たり前ですべてだと思っていたこの世界が実は違っていた
このことをたったこれだけの文字で説かれていますので、一文字に多くの意味を考え
どうにか私たちが理解できるようにするのは当然の解釈の方法だとは思うのです
が
これ以上どれだけの文字を使ってもこれ以上の説明はできない
だからこれで完結だったのではと私は思います
つまりは、私たちが理解できるようにではなく、私たちがそれぞれ自身を高めて少しでも
その境地に向かうことで理解ができるようになるものではないか
上記のことから、文字の奥を探るのではなく、文字をシンプルに解釈するようにまとめました
般若心経の全文と私なりの訳
~仏説魔訶般若心経(仏が説かれた叡智を超越した偉大なるお経)~
全文 | 私流の訳 |
観自在菩薩 | 観自在菩薩さま(観世音菩薩)が |
行深般若波羅蜜多時 | 叡智を超越した境地に至る深い行を行われていた時 |
照見五蘊皆空 | 五蘊はすべて『空』だと見極められ |
度一切苦厄 | 一切の苦しみから救われた |
舎利子 | 舎利子よ |
色不異空 空不異色 | 「色」は『空』に他ならず 『空』は「色」に他ならない |
色即是空 空即是色 | 即ち 実体の色・形は『空』であり 『空』なるものは実体の色・形である |
受想行識亦復如是 | 感情・思考・意思・記憶もこれと同じである |
舎利子 | 舎利子よ |
是諸法空相 | この世の中すべては『空』のすがたである |
不生不滅 不垢不浄 不増不減 | 生まれるのでもなく滅されるのでもなく 汚れているのでもなく浄められるのでもなく 満たされているのでもなく欠けているのでもない |
是故 空中 無色 無受想行識 | 故に 『空』は 色も形もなく 感情・思考・意思・記憶もない |
無眼耳鼻舌身意 無色声香味触法 | 六根もなく 六境もなく |
無眼界 乃至無意識界 | 眼に映る世界から心が意識する世界もなく |
無無明亦 無無明尽 | 迷いというのはなく (迷い自体がないので)迷いが尽きるということもない |
乃至 無老死 亦無老死尽 | また 老いることも死ぬこともなく 老いることや死ぬことが無くなることもない |
無苦集滅道 | 苦諦 集諦 滅諦 道諦もなく |
無智亦無得 以無所得故 | 人智では得ることがなく もって何かを持っていることもなく手に入れることもない |
菩提薩埵 依般若波羅蜜多故 | 観自在菩薩(観世音菩薩)さまが 叡智を超越した境地に至ったが故に |
心無罣礙 | 心が何かに捕らわれることはなく |
無罣礙故 無有恐怖 | 捕らわれるものが何もないが故に 恐怖すらなく |
遠離一切顛倒夢想 究竟涅槃 | 一切の間違った考えから離れ 行きついたところが涅槃である |
三世諸仏 依般若波羅蜜多故 | 三世に安住するすべての仏も 叡智を超越した境地のお陰で |
得阿耨多羅三藐三菩提 | この上なく完全なる正しい悟りに目醒められた |
故知 般若波羅蜜多 | 故に知るべきである 叡智を超越した境地の |
是大神呪 是大明呪 是無上呪 是無等等呪 | 大いなる神の真言 大いなる智慧の真言 これ以上無い真言 比類なき真言 |
能除一切苦 真実不虚 | すべての苦しみを除き 偽りのない真実です |
故説般若波羅蜜多呪 | 叡智を超越した境地で説かれた真言を |
即説呪日 | このようにお示しくださった |
羯諦羯諦 波羅羯諦 波羅僧羯諦 菩提薩婆訶 | ガテーガテー パーラガテー パーラサンガテー ボーディスヴァハー |
般若心経 |
私なりの全文解説・解釈
観自在菩薩 | 観自在菩薩さま(観世音菩薩)が |
現在有名な般若心経は、古代インド、元々サンスクリット語で書かれたもの
唐の時代、西遊記で有名な三蔵法師(玄奘)がインドから持ち帰った「大般若経」が原典
600巻あった「大般若経」を、262文字の『般若心経』にまとめた・凝縮した
観自在菩薩は玄奘の翻訳ですが、鳩摩羅什の翻訳では、観音菩薩
行深般若波羅蜜多時 | 叡智を超越した境地に至る深い行を行われていた時 |
行深=深い修行、真剣に向き合う
般若=叡智を超越した境地、仏智
波羅蜜多=到彼岸=涅槃(悟り)
般若波羅蜜多=叡智を超越した悟りの境地
波羅蜜(=波羅蜜多)とは、六波羅蜜です
●六波羅蜜(これら六つを身に着けることで涅槃に達することができる)
①布施 見返りを求めず施しや親切なおこないをすること
②持戒 戒律を守り、自分自身を戒めること
③忍辱 苦しみや悲しみを耐え忍び、自分自身の心を動かさないこと
④精進 限りある生命を無駄にせず、たゆまぬ努力を重ねること
⑤禅定 集中力を鍛え、自分自身の心を冷静に見つめること
⑥智慧 ものごとの真理を捉えること
人や物へ愛ある言動をし、常にニュートラルな位置で統合を行い、
自分を偽らず自分を愛し、瞑想によって本来の自分に戻り、ハイヤーセルフと繋がる
照見五蘊皆空 | 五蘊はすべて『空』だと見極められ |
照見=見極める・見抜く
●五蘊(宇宙に存在するすべてのこと・もの)
色 宇宙に存在するすべての形ある物質(形・身体・肉体・物質)
受 人が感じるもの(感覚・感情)
想 人が想うもの(概念、思考、思い)
行 人の意思、心で決めたこと
識 人が認識するもの(記憶、認識)
度一切苦厄 | 一切の苦しみから救われた |
度する=済度=救う
叡智を超越した境地、つまり悟りの境地に至った時分かった時、一切の苦しみから解放された
そして宇宙すべての様子を『空』であると表現された
叡智を超越した境地、つまり悟りの境地に至った時、
宇宙に存在するあらゆるもの、意識や感覚といった形にないものも含めて、
すべてを理解され、それを『空』であると表現された
舎利子 | 舎利子よ |
舎利子とは、釈迦の十大弟子の一人
●釈迦の十大弟子
舎利子=舎利弗、弟子の筆頭、智慧第一と称され、目連と併せて二大弟子
『阿弥陀経』では仏の説法相手として登場、多数の経典に登場する
摩訶目犍連(まかもっけんれん)=目連、神通第一。中国仏教では、餓鬼道に
落ちた母を救うために行った目連の供養が『盂蘭盆会』の起源といわれる
摩訶迦葉(まかかしょう)、釈迦の法嗣(法の継承者)=釈尊亡き後、教団を
統率した。禅宗での血脈相承では、釈迦の次の第二祖
須菩提(しゅぼだい)、解空(げくう=空の教理に精通」第一
『金剛般若経』等、空を説く大乗経典にしばしば登場
富楼那弥多羅尼子(ふるなみたらにし)=富楼那、説法第一
摩訶迦旃延(まかかせんねん)、論議第一
阿那律(あなりつ)、天眼第一(てんげん=肉眼では見えない事でも自在に
見とおせる、千里眼)仏の前で居眠りして叱責をうけ、眠らぬ誓いをたて、
視力を失ったがそのためかえって真理を見る眼をえた
優波離(うぱり)、持律(戒律を固く守ること)第一
羅睺羅(らごら)=羅雲、密業(正しい修行)第一と称される
釈迦の長男。最初の沙弥、日本では寺院の子弟のことを羅子(らご)という
十六羅漢のひとり
阿難陀(あなんだ)、多聞第一(たもん)、釈迦が死ぬまで25年間、釈迦の付き
人をした。『無量寿経』等に仏の説法相手として登場
色不異空 空不異色 | 「色」は『空』に他ならず 『空』は「色」に他ならない |
色とは前述の五蘊です
「色」は『空』であり、『空』は「色」
色即是空 空即是色 | 即ち 実体の色・形は『空』であり 『空』なるものは実体の色・形である |
ここから、叡智を超越した境地で理解され、それを『空』と表現された
その『空』をその時代にあった言葉で最大限に説かれていかれます
私たちの目に映る色・形ある ”物” は『空』であり
『空』というものは、 実体として目に映っている “物” である
受想行識亦復如是 | 感情・思考・意思・記憶もまたこのようである |
亦復如是=かくのごとし=このようである、この通りである
「色」以外の残りの五蘊もこのようである
舎利子 | 舎利子よ |
是諸法空相 | この世の中すべては『空』のすがたである |
諸法=仏陀の世界(悟り)から見た森羅万象・万物の真実のすがた
私たちのいる世界は、『空』の世界である
不生不滅 不垢不浄 不増不減 | 生まれるのでもなく滅されるのでもなく 汚れているのでもなく浄められるのでもなく 満たされているのでもなく欠けているのでもない |
『空』は不変で “物” が増えたり減ったり、感情が乱さるなど一切ない万古不易である
是故 空中 無色 無受想行識 | 故に 『空』は 色も形もなく 感情・思考・意思・記憶もない |
故に『空』には五蘊はない
私たちが見ている “物” や感じている気持ちや考えていることなど
私たちは存在していると思っている
嫌な気持ちをしたら、形ではないが気持ちというものがあると思っている
が、
それらはすべて『空』である
無いのではない、見ている何か・感じている何かが “在る” だけだ
つまりその何かが『空』である
無眼耳鼻舌身意 無色声香味触法 | 六根もなく 六境もなく |
視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚・知覚もなく
視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚・知覚の対象もなく
●六根(五感に意識が足されたもの)
視覚(眼根)・聴覚(耳根)・嗅覚(鼻根)・味覚(舌根)・触覚(身根)・知覚(意根)
●六境(六根が認識する対象)
感覚器官が知覚する対象で、それぞれに「境」をつけたもの
色境(眼根によって見られる色彩・形象)・声境(聴覚の対象)・香境(嗅覚)・味境(味覚の対象)・触境(身根によって感じられる堅さ・熱さ・重さ)
●六根と六境を合わせて 十二処
例えばリンゴがあるとする
リンゴを見た →視覚(眼根)
そのリンゴは赤かった →色境
無眼界 乃至無意識界 | 眼に映る世界から心が意識する世界もなく |
眼界~意識界に至るまでも無い
●六識(六根が六境を知覚することで生まれる「認識」のこと)
眼識(界)・耳識(界)・鼻識(界)・舌識(界)・身識(界)・意識(界)
●十二処と六識を合わせて 十八界(人間が認識できる18の領域)
例えばリンゴがあるとする
リンゴを見た →視覚(眼根)
そのリンゴは赤かった →色境
視覚が色境を認識する →眼識界 という眼の認識世界ができる
六識は、考えるとあるべき概念だとされたのではと思っています
理解するには難しく、でもないとは言えないなぁとの見解です
無無明亦 無無明尽 | 迷いというのはなく (迷い自体がないから)迷いが尽きるということもない |
乃至 無老死 亦無老死尽 | また 老も死もなく (老も死もないから)老死ということもない |
苦の原因とされてる無明~老死までもない
●十二因縁=十二縁起(人生の苦悩の根源、12の迷いの原因)
1.無明(無知、迷い)
2.行(行為、前世の業)
3.識(識別、選別、好き嫌い、差別の元)
4.名色(物質現象:肉体 と精神現象:心
5.六処=六入(6つの感受機能、眼耳鼻舌身意)
6.触(6つの感覚器官にそれぞれの感受対象が触れる)
7.受(六処における感受作用)
8.愛(渇愛、妄執)
9.取(執着)
10.有(存在)
11.生(生まれること)
12.老死(老いと死)
無苦集滅道 | 苦諦 集諦 滅諦 道諦もなく |
●四聖諦:迷いと悟りの両方にわたって因と果とを明らかにした四つの真理
苦諦:人生は様々な苦(四苦八苦)に満ちている
生老病死
愛別離苦(愛する人好きな人と別れる苦)
怨憎会苦(憎い・嫌いな人とも会わなければならない苦)
求不得苦(求めるものが手に入らない苦
五蘊盛苦(五蘊が思うようにならない苦)
集諦:苦の原因を集めているのは自らの欲望・執着である
滅諦:欲望・執着を滅すれば安らかな涅槃(悟り)の境地に到る
道諦:涅槃の境地に到るには八正道によるべきである
●八正道
正見:正しい見解
正思惟(しょうしゆい):正しく考え思惟(判断)する
正語(しょうご):正しい言葉(悪口NG)
正業:正しい行い(盗みNG)
正命(しょうみょう):正しい生活・生き方
正精進(しょうしょうじん):正しい精進
正念(しょうねん):正しい祈り=現況の内外の状況に気づいた=マインドフルネス
正定(しょうじょう):正しい禅定(正しい集中力=瞑想)
欲望・執着を滅し、八正道を実践することで涅槃で到る
十八処もなく、十二縁起もなく四聖諦もない
つまり、あらゆる苦はなく苦の根源もない
無智亦無得 以無所得故 | 人智では得ることがなく もって何かを持っていることもなく手に入れることもない |
「智」は、智慧とされることが多いようですが、私は「人が考えられること」という意味を思い
人智 としています
人がどれだけ考えても修行をしても、人の考える範疇では何も理解ができない
菩提薩埵 依般若波羅蜜多故 | 観自在菩薩(観世音菩薩)さまが 叡智を超越した境地に至ったが故に |
菩提薩埵:菩薩、サンスクリッド語でボーディ・サットヴァの音写の略
心無罣礙 | 心が何かに捕らわれることはなく |
罣礙:覆うもの、雲のようなもの
悟り、すべてを明らかに理解をされた
無罣礙故 無有恐怖 | 捕らわれるものが何もないが故に 恐怖すらなく |
無有:あることなし:今もこれからも金輪際なし
すべてが明らかに理解できると恐怖・不安何もない
遠離一切顛倒夢想 究竟涅槃 | 一切の間違った考えから離れ 行きついたところが涅槃である |
三世諸仏 依般若波羅蜜多故 | 三世に安住するすべての仏も 叡智を超越した境地のお陰で |
三世諸仏:過去・現在・未来に渡るすべての仏さま
得阿耨多羅三藐三菩提 | この上なく完全なる正しい悟りに目醒められた |
得阿耨多羅三藐三菩提を、サンスクリッド語を漢字で表した言葉
人がどれだけ考えても修行をしても、人の考える範疇では何も理解ができない境地を
観自在菩薩(観世音菩薩)さまが悟られ、すべての仏さまもこのお陰で悟られた
故知 般若波羅蜜多 | 故に知るべきである 叡智を超越した境地の |
是大神呪 是大明呪 是無上呪 是無等等呪 | 大いなる神の真言 大いなる智慧の真言 これ以上無い真言 比類なき真言 |
偉大なる神の真言は、以下で教えてくださいます
能除一切苦 真実不虚 | すべての苦しみを除き 偽りのない真実です |
故説般若波羅蜜多呪 | この叡智を超越した境地で説かれた真言を |
即説呪日 | このようにお示しくださった |
羯諦羯諦 波羅羯諦 波羅僧羯諦 菩提薩婆訶 | ガテーガテー パーラガテー パーラサンガテー ボーディスヴァハー |
日本語では
ギャーテーギャーテ ハーラーギャーテー ハラソウギャーテー ボージーソワカ
と発音されますが、お示しくださった真言ですので、サンスクリッド語が良いと思います
まとめ
私が初めて般若心経を知った時、『空』が掴めるようで掴めないままでいました
現在、スピリチュアルな理解を進んだ私は、大分分かるようになりました
般若心経の解説は、悟った・目醒めた人がして初めて分かるものではと思います
私たちの世界は、リアルではない、映像の世界、地球劇場などと言われることがあります
スピリチュアルの世界を知っていくと、このことが分かるようになります
すると、自ずと『空』も分かってきました
私の体はカラの容器、そこへ魂が入っている
私と思っている私はいない、でも意識は確かにある
この何にでもない意識こそが、本来の自分
その自分は形も色もありませんが確かに「ここに在る」
もし、やはり『空』がよく分からないという方でも
これらの内容は非常に前向きに明るくさせてくれるのではないでしょうか
ネガティブな感情、思い込み、固定観念…すべてないですよ と
分からなくても、真言を唱えたら良いよ と書かれています